メイクセラピーは化粧療法と呼ばれ、メイクによって外見を美しくするだけではなく、心理カウンセリングの手法を使い、その人を内面から輝かせ自信を持たせる効果があります。
中でも、昨今注目されているのが、介護現場におけるメイクセラピーの有用性です。
高齢者や現在闘病中の患者、さらには認知症を患っている人の中には、自分の容姿や身だしなみに対する興味が極端に薄れてしまっているケースが見られます。
自分の身体のこと、目の前のことをこなすのに精いっぱいで、外見など気にしていられない、そもそもそんな余裕などない、おしゃれなど二の次という人も少なくありません。
しかし、実際メイクセラピストの手によって、きれいにメイクを施されると、それまで暗い顔で無気力に沈み込んでいた人が、光を当てたように明るい笑顔を見せることがあります。
美しく変身した自分の顔を鏡で見ることによって、気持ちがグッとポジティブになり、精神的にも安定するといった効果が出ることは珍しくありません。
こうした効果についてもっと詳細に知りたいなら、【高齢者の心を「美」から支える】をご覧ください。
これまで美容は、命を繋ぐことには直結しない、そんなものはなくても生きていけると、後回しにされてきましたが、外見を整えることによって、気持ちが明るくなり、治療やリハビリに対する前向きな姿勢につながっている例も数多くあります。
また、専門のセラピストによって、丁寧に自分の顔を触ってもらうということは、それ自体大きな癒し効果があります。
これまでメイクなどとは最も縁がないと思われていた介護現場においてこそ、今後メイクセラピストの役割の重要性が認識されていくことでしょう。